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「カラーダイヤモンド専門店 コズミック」店主によるカラーダイヤモンドブログ
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龍淵に潜む
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    “季節を惜しむ”表現がありますね、『行春や・・・』の芭蕉の句はあまりにも有名ですし、『愁思』『暮の秋、秋の暮れ』などの言葉には、しみじみとした寂寥感です。

     

    ウィンタースポーツの愛好者なら冬を惜しむのかもしれませんけれど、まあ普通はと言いますか、文学では“惜冬”の表現はありません。ところが『夏を惜しむ』は言います、立秋を過ぎて8月のなかばを過ぎたあたりから9月になるまでの頃でありましょうか・・・・先月末は確かに『夏を惜しむ』気配が出ていたのに、、

    もういい加減にしろと言いたくなるこの暑さ、未だに続く真夏、惜しくもなんともないですな、即刻に秋になってもらいたい。

     

    言挙げしたからって秋になる訳はないですけども、

    少しは涼しく、秋を感じるかもしれない〜

    ってことで、

    秋の季語を。

     

    代表的なものはやはりこれですかね。

     

    『名月』

     

      名月や池をめぐりて夜もすがら ―芭蕉―

     

    巡るのはどんな池?

    やはり京都の寺社がええのやないかという気がします・・・

    龍安寺は風情あるけど、ちょっと木が茂り過ぎているように思いますね、肝心の名月が見えなくなってしまうことも多いのではと案じ?ます。

    大覚寺の大沢の池、それとも平安神宮の東神苑、でしょうか。

    しかし、名月を見られる時間に入れるのかな?

    それが問題。

     

    台風を好きな人はいないでしょうが、この言葉なら・・・

    『野分』

     

    近ごろ日本列島に襲い掛かる超大型台風はとてもやないけど『野分』と呼べるようなものではありませんが、強風が木の枝を折って飛ばして、それらがプランターの寄せ植えを乱している、、、なんていうのは時に趣きを感じさせるのかもしれません・・・

     

    漱石の『野分』より〜

     

    「白き蝶の、白き花に、

     小さき蝶の、小さき花に、

         みだるるよ、みだるるよ、

     

     ・・・・・・

     ・・・・・・

     いたずらに、吹くは野分の、

     いたずらに、住むか浮世に、 

     白き蝶も、黒き髪も、

          みだるるよ、みだるるよ。

     

    ・・・・・

    深い眼睫(まつげ)の奥から、ヴィーナスは溶けるばかりに見つめられている。冷ややかなる石膏の暖まるほど、丸き乳首の、呼吸につれて、かすかに動くかと疑し(あやし)まるるほど、女は瞳を凝らしている。女自身も艶なるヴィーナスである・・・・『これが愛の神でしょうか』と女はようやく頭を回らした。

    あなたの方が愛の神らしいと云おうとしたが、女と顔を見合いした時、男は急に躊躇した。云えば女の表情が崩れる・・・」

     

    美しいものを壊したいという衝動は誰にでもあることだと思いますね。人をそのように突き動かせるものは何なのか。きっと目に見えない、とらえどころのない何か、なのでありましょう。

     

    ネットで季語を検索して見ておりますと、漢字を見ただけで気温まで伝わってくると言いますか、雰囲気が良く出てるなと感じるものが多いですね、菊日和、花野、枯野、星月夜、釣瓶落とし、銀杏、柘榴、山葡萄、案山子(かかし)、鳴子、鳥威し・・・キリがありません。

    しかし、まるで“伝わってこない”こういうのも〜

     

    『龍淵に潜む(りゅう ふちにひそむ)』

     

    古代より中国では、龍は霖旱(りんかん)を支配する神と考えられてきたそうですね。『霖』は長雨、『旱』は日照りのこと。

    龍は、「春分に天に昇り、秋分に淵に潜む」と。

    春分が過ぎますと、田に水を満たして耕作の準備を始め、秋分の頃になると水田から水を落して収穫する、これが上手くゆくのは龍神のお蔭と言う訳ですね。

    稲の収穫が終わると、龍は淵に隠れ、また翌年の春に天に昇って雨を降らせるまで休息すると信じられてきたということです。

     

    そう言えば、虹は、龍の使い、あるいは龍の化身、と言われておりますね。

    暑さ厳しい毎日ですけども、今度雨模様になって夕刻に上がって虹がかかったら、、それはもう龍が淵に入って眠りにつく最後の姿、と思って良いのかもしれません、いよいよ本格的な収穫の秋(とき)。

     

     

     

     

    | ukitama | - | 16:49 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









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