Uki Dialy

「カラーダイヤモンド専門店 コズミック」店主によるカラーダイヤモンドブログ
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大正三美人?!
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    ひと月ほど前にご紹介いたしました森田たま女史の『続もめん随筆』をパラパラとめくって眺めておりましたら、また面白い文章を見つけました〜

    『・・・若い時はひたすらに美人になりたいと思う願いばかりが強かった。新橋に濱勇という芸者があって、その人のすんなりとした姿や、うす手な感じのする顔が好きであった。それからまた赤坂の萬龍の顔も、おっとりしていてよいと思った。林きむ子女史の顔も美しいと思った。それでもし世の中に奇跡が起り、神様があらわれてどれでも好きな人の顔にかえてやると言われたら、自分はいったいどの顔をえらべばよいのかしらと考えると、三人が三人ともそれぞれに好もしくて捨て難い。と言って三つをつきまぜた顔は到底想像できないので、やはりその一人だけに替えてもらわなくてはならない。だが、濱勇の顔をつけてもらえば私は私でなくなり濱勇になってしまうだろう、萬龍の顔をかりれば萬龍になってしまう。林きむ子さんに似せれば林きむ子さんになってしまうと気がついたから、この空想はすぐやめてしまった・・・』

     

    萬龍(1894 – 1973)は、明治末期に「日本一の美人」と言われた芸者なんですな。現代であれば、モデルというところでありましょうか、三越のポスターに使われたりしたとか。“酒は正宗、芸者は萬龍”とまで言われたそうな〜

     

    林きむ子(1884 – 1967)は、萬龍さんよりも早く生まれているのに、こちらは「大正三美人」の一人なんですね。東京・柳橋生まれということで、彼女も‘そちら系’かと思ったら、女学校を出たインテリ。作家、舞踏家、社会活動家、実業家、etc、、、多芸多才なベッピンさん、森田女史が羨むのも無理はないですな。

     

    萬龍ちゃんも林女史も、流石にいくつもの画像が残っていて、ホント正統派の美人でございますね。萬龍ちゃんは、芸伎ということで、相当早く、恐らく156歳から世に出ていたに違いないでしょう、瑞々しい麗しさですね。林女史の活躍は大正時代ですから、30代の成熟した色香が零れんばかり、、写真見ているだけなのに、、う、うっ、と鼻血が出そう?!UKI氏好みであります〜瞬殺されそうなほどの色気。

     

    『女は灰になるまで』なんて言う諺があるくらいですから、女性は自分自身の容姿も灰になるまで気に掛かるのでありましょうね、大岡越前のようにUKI氏は母親に聞いてみた訳ではないですけども、いつまでも化粧品を買いに行ってる母親を見ておりますと、『あ〜あ』って感じで。

    男はどうなんでしょうね?

    安倍総理のお祖父ちゃんの岸信介元総理は『84歳でまだ現役』と豪語しておったそうですが、、、いや、それではなくて・・・容姿が気になるどうのですな、、

    UKI氏は、だんだんと身だしなみとか服装に気を使わなくなっていることは確かで、それではアカンと、そんなことをしているとアッと言う間に年寄り扱いされるようになるぞと、言われなくても分かってはいるのですが、服装はともかく、醜い自分の顔はもうどうしようもないと諦めた?諦められた?と言いましょうか、毎朝ヒゲは剃るけど、その折に鏡の中の自分を見つめて『・・・』、特に何を感じている訳ではありません。如何ですかな、ご同輩。

    大阪市内の本町や心斎橋界隈のオフィス街を歩いておりまして、極まれに、年に一度くらい、学生時代に大教室やキャンパスで見かけた顔と出会います、お互い知らん顔ですけどね、そんな折に相手を『老けたな、ワシの方が格段にマシやな』と思って心の中で一瞬ガッツポーズ、、なんですけどね、『相手も同じように思っているかも』、、、なんて露ほども考えなかったけど、これって、母親がいつまでも化粧品を買い続けていることとほぼ同義なのかもしれませんな。

     

    明治一のベッピンさんは萬龍で、大正を代表するのが林きむ子で、、

    ならば昭和は? 吉永小百合か原節子か。

    平成は?と問われますと、それこそ百花繚乱ですけど、北川景子か石原さとみ、なんでしょうな。

    そして、令和を代表するのは??

    まだこれからですね。

     

    ところで、

    日本文学に登場するNo.1の美男美女は?

    古典にまで遡りますと、光源氏、小野小町、在原業平、、まあ色々出てまいりますが、どうもピンと来ないですね。

    というところで?

    明治以降としますと、如何でしょうか?

     

    No.1美男は間違いなく三島由紀夫の『春の雪』の松枝清顕(まつがえきよあき)ですな。三島の“美文効果”もあるけども、清顕が文中に登場してくるだけで『眩しくてまともに見られない』みたいな感じがあります。

    No.1美女はどうでしょう、、これもまた百花繚乱、議論百出、侃々諤々??

    正論も異論もなく、さまざまな好みがあるに違いないけど、UKI的には、、

    漱石の『虞美人草』の藤尾、かな。

    この漱石の藤尾さん描写の“超美文”、

    瞬殺どころか、身じろぎもできないほどのベッピンさん!

    『・・・静かなる昼の、遠き世に心を奪い去らんとするを、黒き眸(ひとみ)のさと動けば、見る人は、あやなと我に帰る・・・・・一瞬の短きを偸んで、疾風の威を作すは、春に居て春を制する深き眼(まなこ)である。』

     

    ここまでゆきますと、かえって現実に戻れる、と言いますか、

    ふたたび森田女史の文章をお借りしますと、、

    『・・・どれ程美しくても私でない顔は最早私にとって不必要である。やっぱり生まれた時からの自分の顔が、どんなに醜くとも一番よかった。』

     

    『ダイヤモンドの顔』、なんていうことを言いますと、怪訝な顔をなさる人もいらっしゃるかもしれませんが、4Cが同じだからと言って見え方がほぼ同じと思っている方は、まだまだダイヤモンドをほとんどご存じない人。例えばここに、0.3crtくらいのラウンド、直径がほぼ同じ、D VVS1 3EX2個あるとしましょう。『あら、ちょうどいいわ、この2つでピアスに加工してもらいましょう〜』と考えるのは全く自然な流れですね。しかし、この2つ、案外揃ってないのです、、、それはどういうこと??と疑問に感じるでありましょうね、当然です。しかしこれ、ふたつを並べてテーブルの側(フェイスを真正面)からしっかりと見ると素人の方でもかなりハッキリと分かります、恐らく明るさが一致しないし、極々わずかですが微妙に色が違う。ダイヤの性質は人間と同じです、100人いたら100Characterがあるように、ダイヤにも11個それぞれのCharacter、特に明るい暗いは非常に強く感じるところ、並べりゃ一目瞭然。そして、D colorと言えども、『これはC colorか!?』と感じるようなものから、『む、む、む、、Eじゃないの?!』と思う物まで、、、D colorの中で数段階あるような気がしております・・・・でありますから、

    同じグレードのカラーダイヤを2個持って来て、『さあ、このカップルをピアスに』なんていうのは見なくても端から『揃ってない、無理無理』となります。

     

    森田女史は謙遜して自分の顔を“どんなに醜くとも”なんて言うてますけども、人間の顔が本当に醜いのは、その人が精神的に完全に荒廃している時でありましょう。通常、人間の顔というのは、男前、ベッピンさん以外はまあ“普通”とか“特に”というものですね。それらの“普通”であっても、人生の中で一番光り輝く時になれば、かなり美しいと感じさせるものであるに違いありませんしね。

     

    カラーダイヤはどうなんだ?!

    ほとんどが美男美女なのか、それとも人間と同様にほとんどが“普通”なのか??

    ここで何かを言うことは恐らく、『禅問答』に近いことでありましょう〜聞く人によっては『はあ??』って感じ。

     

    一部のダイヤモンドはこんな感じ〜

    『顔には何かこうぼうっと煙っているようなものがある、顔の造作が、眼でも、鼻でも、口でも、うすものを一枚かぶったようにぼうやけていて、どぎつい、はっきりした線がない、じいっとみているとこっちの眼のまえがもやもやと翳って来るようでその人のまわりだけ霞がたなびいているように思える。』

    (谷崎潤一郎「蘆刈」より)、、、

    こういうのはダメですね、全く魅力がない、存在の意味が分からない。

     

    ならば、どんなカラーダイヤが魅力的?

    ・・・ふたたび、『虞美人草』の藤尾さんの描写をお借りしましょう〜

    『一重の底に、余れる何物かを蔵(かく)せるが如く、蔵せるものを見極めんとあせる男は悉く(ことごとく)虜になる。』

     

    〜〜という訳でして、

    美しさの奥に蔵(かく)せるようなSomethingですね、

    それがあるように感じる、

    それを見てみたい、

    あ〜もう、何とかならないものか・・・という感じ。

     

    カラーダイヤも人間も、決して美しいばかりが魅力ではないのです。

     

     

     

     

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