Uki Dialy

「カラーダイヤモンド専門店 コズミック」店主によるカラーダイヤモンドブログ
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Review of 平成−5
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    Argyleの興亡とほぼ重なった形の平成は、カラーダイヤという一つの大きなアイテムの誕生と成熟の歴史でもありますね。

     

    昭和50年前後までは、ダイヤモンド自体がそう注目されるような物でもなく、、、と言えば皆さんは不思議に思われるかもしれませんけども、ウッキーが“業界入り”したのが昭和58年、その数年前までは大都市の宝石屋と言えどもロクに鑑定屋のグレードが付いたダイヤを取り扱っていなかったのですよ、ほとんどの宝石屋は、『鑑別書』、いわゆる4Cの表記のない、“天然ダイヤモンド”という記載のみある証明書等だけで消費者に販売していたということなんですな。

    ですから、昭和50年ごろから、GIA基準を用いた『ダイヤモンド鑑定書』(Diamond Grading Report)が登場するに及んで、街の老舗宝石屋や宝石卸屋っていうのは相当に危機感を抱くようになったと聞き及んでおります・・・それまで口先三寸で騙してこれたのが通用しなくなった、と言えば聞こえが悪いけども、GIA基準の鑑定書がデパートや地域の一番店で採用され始めると、ダイヤモンドを販売することに関しては必ずしも宝石のプロである必要性はなくなった、ということですね。

     

    昭和の終わり頃でさえ、そのような情況。即ち、無色透明のラウンドがようやく“Bridalアイテム”として認知され確立された時代。

    でありますから、カラーダイヤなんていう物が日本市場に入り込む余地はほとんどなかった訳なんです。

     

    それが、1990年代のなかばから、カラーダイヤの販売が毎年大きな伸びを示して行ったのは、バブル経済の崩壊によって無色の大粒ダイヤの売れ行きが激減したことと、Bridalアイテムとしてのダイヤモンドが、あまりにグレード重視、鑑定書重視に偏り、さして儲かる商材ではなくなったことが挙げられると思います・・・・・『ダイヤモンドは永遠の輝き〜De Beers』のテレビCMが懐かしいですな、メシのタネとしてはあまり永遠ではなかったという。

     

    さて、平成も10年以上が経過し、今世紀に入ってカラーダイヤの色んな“流通システム”が完成したかと言うと、まだまだでございました。

     

    UKI氏がAntwerpで一所懸命にカラーダイヤの買い付けに励んでいた折り、非常に悩ましかったのが青緑系ダイヤの存在。現在のカラーグレードで言いますと、Fancy Green BlueやらFancy Blue Green、それらの上下のグレードの物です。

    それらは、スッキリの光沢で非常に綺麗なのに、

    GIAにおいてさえも、

    Color Origin: Undetermined (判定不能)

    とされる商品だったのです。

     

    それらを、検査機器の進歩等によってGIAが“天然”と判定することが多くなってきたのは平成20年頃のことでありましょうか。GIA付きの青緑(Green Blue, Blue Green)を紹介し、同様の検査をさせることによって、日本の鑑定屋もようやく重い腰を上げたのですな。そう、結構我々は苦労しているのですよ。鑑定屋っちゅうのは、ある部分、役所よりも保守的でね、いや守旧と言うべきか、、まあとにかく、前例がないと動かない、相当な刺激がないと自らを変えられない存在。AGTなんてね、その最たるものですな、、、これを語り始めるともう止まらなくなるのですけども、、

    現在でも、『生地が素晴らしいなんてもんやない、このClear感、見ているだけで昇天しそう!』と感じるGreen Blue系のダイヤに限って未だに『判定不能』となるケースがかなりあります。

    この種の物が、めでたく“天然”表記を勝ち取るためには、出来るだけ不純物をPolishせずにそのままにしておくこと、、その不純物は俗に『Brownパッチ』なんて呼ばれます、実際にBrownishなガーネット等の破片なんですな、この極小の破片がダイヤ表面に付着していることによって、そこが“窓”と言いますか、“侵入口”になって、“天然”の証拠を発見するための詳細な検査が可能となる、ということなんです。

    しかし、誰しもそんな不純物をPolishして取り去ってしまいたい、当然のことです。凄い葛藤ですよね、Brownパッチ有りなら、ほぼ天然と判定されるだろうに、それが付着していることでダイヤの美しさを損なっている、と言って取ってしまえば判定不能となる可能性がかなり大きい、、、ホンマに遺憾ともしがたい!

    青緑系ダイヤにおいての『Natural』対『Undetermined』の戦い、輸入屋と鑑定屋の戦いは未だに続いております。

     

    さあ、この先、カラーダイヤはどうなってしまうのか??

    まもなく平成が終幕するのとほぼ時期を同じくして、カラーダイヤの終幕も近いのではなかろうか・・・

    そんな危惧さえ抱かせる平成末期のカラーダイヤ事情でございました。

     

    いよいよ明日の夜、平成は令和へと変わりますね。

    今月1日に『令和』が発表された折りには、新しい時代への期待感と祝賀ムードが大いに盛り上がり、それは未だに続いておりますけども、数日前からは何かこの暮春に平成が終わることへの若干の哀愁があることも事実ですね。そして、今上陛下の御世が終わって何が残念かと言えば、やはり現皇后が皇后でなくなること。皇紀2679年と言われる日本の歴史の中で、美智子皇后ほど美しさと品格と慈愛に満ちた御心と高い教養を備えた皇后さまはいなかったであろうし、これからもまた現れないのではないか、と感じるのはウッキーだけではありますまい。

     

    皇后さまとダイヤを並べるのは全くおかしなことと分ってはおりますけども、平成に登場した優れたカラーダイヤの数々もまた唯一無二の存在、今後はなかなか出会うことのない物であるだろうなと、何気にボンヤリと思う昨今です。

     

    『令和』の生みの親と言われている中西進氏が言うには、

    『令』の字は、形が整って美しいさまを表すのだとか。

    また、中西氏は続けて、

    「元号は、こういう時代にしようという目標であり、心の拠り所である」と。

     

    昭和が終わって平成が始まってから、どうも昭和と平成の“連なり”が自然でないものを感じ、年数を数える時に、『今は昭和の何年になるのかな?』なんていうような方法をとっていたことが多く、日付を書く際に西暦を使用することが圧倒的に多くなっておりました。

    明後日からは、しっかりと『令和〇年』という記述で行くことを誓いたいと思います。

     

    令和のカラーダイヤのゆくへ・・・

    ・・・・・神のみぞ知る。

     

     

     

     

     

     

     

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