Uki Dialy

「カラーダイヤモンド専門店 コズミック」店主によるカラーダイヤモンドブログ
<< Review of 平成 | main |
Review of 平成−2
0

    続きです・・

     

    平成のダイヤモンドを語る上で絶対に外せないのがイスラエル。

    1989年から1990年代、平成の最初の数年間、ダイヤモンドの世界は、イスラエルが“主戦場”であったと言えるのではないかと思います。平成元年、日本はバブル経済のピークを迎え、ダイヤモンドの輸入も最高潮に達しましたが、その約4割はイスラエル、Tel Avivからの商品。A社のバイヤーも誰かが常にTel Avivに滞在しているような状態でした。ウッキーも月日を経るごとにイスラエルという国自体に興味が増して、ベルギーと同程度に好きになっていったけど、平成元年に初めてTel Avivに行った時には、『な、な、なんちゅう無礼な国民や!』と、全く頭にきたものでございました。なんせ、ホテルにチェックインの際、フロントに誰もいない、ベルを鳴らして待つこと12分、やっと来たか〜と思ったら『What’s your name?』ですからね、しつこく何度も書いているけども。彼らの言語、ヘブライは元来そういう言葉遣いなんですな、日本人は敬語にうるさいから余計に腹立つのですね。まあそれでも、その種の“ぞんざい”な態度と言葉に慣れるまで非常に時間が掛かったのも事実で、どうもイスラエルに馴染めない時間が長くて、必然的にTel Avivに滞在する時間が短くなって、当時のバイヤーとしは珍しく、Antwerpでメインの買い付けを行っていたのがウッキーでございました。

     

    イスラエルの商品は確かに安かった、多くの日本人バイヤーが集結したのは当然。しかし、そのMade in Israelの特徴は、とにかく超歩留り重視、いわゆる場面が小さい、ということなんですね。例えば1crtのラウンドがあると、その直径は6mmを切ることも珍しくなくてね、さすがに6mm切れとなるとsize gaugeで測らなくてもパッと見で分かるくらいに小さな場面で、ルーペ使って更に見るなんて気には到底ならないし、見る1カラットがほとんど6mm切れか6mm近辺というボックスやパーセル(包み)も珍しくなくて、そんな中から、6.4mm以上とは言わないけど何とか使えそうな場面の物を見つけるのはホント忍耐でございましたよ。

     

    1crtでさえそのような商品なんだから、0.3crt0.5crtBridalアイテムも当然同じ状況。A社はそんな商品は絶対にやらないようにしていたけども、日本の一部悪徳輸入屋は結構な量を取り扱って、小売店や消費者を“だまくらかして”いたのが容易に想像できる、、そのために発展、進化したのが当時のGIA基準にはなかった日本の鑑定屋独自のCut総合評価でありますね。

     

    ちなみに、H&Q ,3EXなんていうUKI世代から上の者には空前絶後とも言えるCutグレードも、平成の初期に大いに改良が加えられたのですよ〜・・・・

    他に先駆けて中央宝石研究所がやり始めたのだけども、

    当初はシンプルなExcellentさえもなくてね、Very Goodが一番上だったですな。Very Goodの上にExcellentが登場したのは昭和の終わりか平成の最初か、微妙なところ。

    ですから、3EXH&Qなんてもっと後のことになります。それらが登場した頃にウッキーは既にドップリと“色の道”に浸っておりまして、そのような訳分からん物の買い付けで悩まずに済みました。

     

    イスラエルのダイヤモンド産業が順風満帆だったかというと、そうではなく、皆さんご存知の湾岸危機から湾岸戦争で、数か月間の“開店休業”という事態も、、・・・

    あの当時のことは良く覚えております、海外で見るCNNのニュースが映画を見るようでありましたからね。

    湾岸危機が起こるやいなや、A社の社員はイスラエル出張を全面的に取りやめ、他の3市場、AntwerpMumbaiNew Yorkへの依存度を高めました。他のダイヤモンド輸入屋はもう少し後までTel Avivに行っていたようだけど、12月になると『(多国籍軍の攻撃が)もう始まる』『イラクがイスラエルを攻撃する』というような状況になりましたから、この時点でイスラエルに行こうなんていうアホなバイヤーは皆無になり、それから恐らく5月ごろまではTel Aviv市場は閑散としていたのではないのかな。

     

    湾岸戦争が始まった日、ウッキーはMumbaiで買い付けしてましてね、インド人はもう大興奮でしたね。買い付けしていた事務所のマネージャー氏が、多国籍軍の空爆がどんな風に行われたのかCNNで見たいと言い出して、UKI氏が滞在していたホテルの部屋まで見に来たりで。UKI氏は、これ幸いとばかりにCNNのニュースの内容を簡単な英語に“変換”してもらった〜、ちょっと情けないけどね。CNNのニュースの中でちょっとショックだったのは、米軍攻撃機のパイロットが帰還して直ぐにインタビューに応じて、『これからまた出撃する』と、緊張するでもなく力むのでもなく不安がるのでもなく、淡々と述べていたこと。これを聞いて思わず『えっ!』と声を挙げてしまいましたよ。

    そう言えば、

    このMumbai入り直前にAntwerpで買い付けしていたのですけども、取引先の事務所で仕事しているUKI氏のところにイスラエル人が売り込みに来たのですね、イスラエルでは商売にならないからって商品持ってAntwerpにやってきた訳です。彼が持っていた物の中でウッキーが目に留めたボックスは、約100個の1crtの変形物、PS MQ OV PR等々、ウッキーが得意としたGHIカラーあたりのI1クラス、先方の言い値は$800/crtだったかな、合計で約1,000万円の商売。それを預かって、2日間かけて、ああでもない、こうでもないと、買おうか、やめようなと思案して、『よし、行ったれ!』と、$600から値段交渉を始めて、結局、$675でマザール(商談成立)いたしました。

    衝撃的だったのはそのマザールの直後、

    取引相手の男は、UKI氏と握手しながら言ったんです、

     

    『これから(対イラク戦に備えての)兵役だ』、

     

    『生きて帰ってこれたら再び会おう』と。

     

    イスラエルは国民皆兵制、有事には多くの者が徴兵される。

     

    その顔は笑っていたけど、こういうことは現代日本では経験できまへん、、

    ウッキーは、気の利いた言葉一つ言えず、

    出征兵士を送り出すのはかくの如きかと、彼の『Good bye』が胸にズンと重く響いたものでした。

     

    幸いにして、イスラエルは、イラクから大量のスカッド・ミサイルを撃ち込まれながらも、アメリカの強い要請によって反撃を自粛しましたから、兵役に行った彼も無事であったことと思われます。

     

    しかし、どういう訳か彼とは未だ“感動の再会”とはなっておりません。

     

    湾岸戦争後にイスラエルのダイヤモンド市場が活気を取り戻すまでそんなに時間は掛かってなかったような気がします。流石にユダヤ人たちの総合力、というところでありましょうね。

     

    むしろ、湾岸戦争の“戦前と戦後”で大きく変わってしまったのが日本の方。そうですね、バブル経済の崩壊。買い付けも、関西で言うところの“吝い(しわい)”ものとなり、大量買い付け&大量販売の時代は終わりを告げ、全てのダイヤモンド輸入屋は量から質への転換を図らねばならぬ時がやってきたのです。

     

    そんな環境の中で、UKI氏がカラーダイヤに視線を動かしたのは当然の成り行きだったのかもしれませんね〜

    、、とは言いながら、

    湾岸戦争後、1993年や1994年に買い付けた4個のピンクダイヤは、結局ひとつも自分で売ることが出来なかった・・・情けなーーーい。

    たったの4つですからね、全部しっかりと覚えておりますよ〜

    0.3crt Light Pink SI1 ラウンド

    0.5crt Light Pink VS2 ラウンド

    0.3crt Fancy Pink SI1 オーバル

    2.0crts Very Light Pink VS1 ラウンド

     

    2crtsのラウンドは、CutExcellentが出ました〜・・売れなかったら意味ない!

     

    当時は、無色の物のカラーを見るように、ダイヤをひっくり返して、パビリオン側の色を見ておりましたから、正確に判断できなかったのでした〜ど素人。

    でも、そのようにして見て、Light Pinkなどの淡い色味は綺麗だったなあ〜きっとひときわ生地が素晴らしい南アものだったに違いない。

     

    0.3crt Fancy Pinkは、AntwerpArgyle Officeで買いました。

    $12,000/crtくらいだった。相場を全く知らなかったから、お勉強のつもりで。

    多分それは今ならFancy Intense Pinkで間違いのないところ、非常に美しい薄紅だった。

     

    上記の物に反響がなかったものだから、23年はカラーダイヤを“封印”していたのですけどね、ある日、運命的な出会いが!

     

       ― 続く ―

     

     

     

    | ukitama | - | 16:21 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |









    http://blog2.colordiamond.co.jp/trackback/893
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930    
    << April 2019 >>
    + SELECTED ENTRIES
    + ARCHIVES
    + MOBILE
    qrcode
    + LINKS
    + PROFILE